スキージャンプの「男子スーパーチーム」とは?ミラノ・コルティナ2026で初採用の新種目を徹底解説
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックで、スキージャンプに注目すべき変化が起きています。
これまでおなじみだった男子4人制の団体戦が廃止され、代わりに「スーパーチーム(Super Team)」と呼ばれるまったく新しい種目が採用されました。
「4人から2人になっただけ?」と思うかもしれませんが、実はラウンド数や勝ち残り方式など、ルールの構造そのものが大きく変わっています。
この記事では、Yahoo!知恵袋に寄せられた質問をきっかけに、スーパーチームのルール・採点方法・従来の団体戦との違い・日本代表の見どころまで、初めて見る方にも分かるように解説します。
スーパーチームとは?基本ルールを解説
スーパーチームは、2022/2023シーズンのワールドカップから導入された新しい団体形式で、ミラノ・コルティナ2026でオリンピック初採用となります。
最大の特徴は、1チーム2人で戦うことと、3ラウンド制であることです。
🎿 使用ジャンプ台:ラージヒル
🔄 ラウンド数:全3ラウンド(各選手が最大3本ずつ、チーム計最大6本のジャンプ)
📉 勝ち残り方式:ラウンドごとに下位チームが脱落していく
具体的な流れは以下のとおりです。
本番前に各選手が練習ジャンプを行います。得点には反映されません。
【第1ラウンド】
2人の選手をそれぞれ別のグループに分け、各グループ内でW杯国別ランキング下位の国から順に飛びます。2人の合計得点で順位を決定し、上位12カ国が第2ラウンドに進出します。
【第2ラウンド】
第1ラウンドと同じ順番で飛びます。第1・第2ラウンドの合計得点(4本分)で順位を決定し、上位8カ国が最終ラウンドに進出します。
【第3ラウンド(最終ラウンド)】
ここでは順番が変わり、第2ラウンド終了時点の合計得点が低い国から順に飛びます(つまりトップの国が最後に飛ぶ)。全3ラウンド・計6本のジャンプの合計得点で最終順位が決まります。
つまり、質問者の方がおっしゃるとおり、最終的に1チームあたり計6本(2人×3本)のジャンプの合計得点で争います。ただし、途中で脱落したチームはそこまでの合計得点が最終成績となります。
従来の男子4人制団体戦との違い
「何が変わったの?」を一目で理解できるよう、従来の団体戦と比較してみましょう。
| 項目 | 従来の男子団体 | スーパーチーム |
|---|---|---|
| チーム人数 | 4人 | 2人 |
| ラウンド数 | 2ラウンド | 3ラウンド |
| 1人あたりのジャンプ数 | 最大2本 | 最大3本 |
| チーム合計ジャンプ数 | 最大8本(4人×2本) | 最大6本(2人×3本) |
| 脱落方式 | 上位8チームが2回目に進出 | 1回目→上位12、2回目→上位8 |
| 使用ジャンプ台 | ラージヒル | ラージヒル |
大きな違いは「少数精鋭」になったことです。
4人制では、エース以外の選手の安定感がチーム全体を支えていましたが、スーパーチームでは2人の個々の力がダイレクトに結果に反映されます。
また、3ラウンド制の勝ち残り方式により、ラウンドごとに脱落チームが出る緊張感が生まれ、従来の団体戦よりもスピーディーで劇的な展開が期待されています。
採点方法をおさらい|飛距離点・飛型点・補正点
スーパーチームの採点方法は、個人戦や従来の団体戦と基本的に同じ基準です。1本のジャンプの得点は次の要素で構成されています。
飛距離点
ジャンプ台のK点(建築基準点)を基準に計算されます。
K点に着地すると60ポイントが与えられ、そこからの距離に応じて1mごとにポイントが増減します。ラージヒル(K点120m)の場合、1mあたり1.8ポイントです。
たとえば、K点120mのジャンプ台で130mを飛んだ場合は「60 +(10 × 1.8)= 78ポイント」となります。
飛型点
5人の審判が、空中姿勢・着地姿勢(テレマーク)・アウトラン(着地後の滑走)の美しさを20点満点から0.5点刻みの減点法で採点します。
最高点と最低点を除いた3人の合計が飛型点です(満点は60ポイント)。
着地時に両足を前後に開き、両手を広げる「テレマーク姿勢」がきれいに決まると高得点につながります。
ウインドファクター&ゲートファクター(補正点)
公平性を保つため、2009年以降導入された補正システムです。
向かい風(有利)を受けた場合は減点、追い風(不利)を受けた場合は加点されます。また、スタートゲートの位置が変更された場合も、高い位置からの発走なら減点、低い位置なら加点される仕組みです。
なぜ新種目が導入されたのか?
スーパーチームが従来の4人制団体に代わって採用された背景には、いくつかの理由があります。
① 男女平等の推進
IOC(国際オリンピック委員会)は、冬季オリンピックでも男女の参加機会を等しくする方針を打ち出しています。ミラノ・コルティナ2026では女子ラージヒルが新たに追加されましたが、種目数のバランスを取るために男子団体の形式が見直されました。
② 観戦性の向上
4人制の団体戦は試合時間が長くなりがちで、テレビ放送枠にも収まりにくいという課題がありました。2人制で3ラウンドの勝ち残り方式にすることで、テンポの良い展開とドラマチックな脱落劇が生まれ、観客やテレビ視聴者にとってより分かりやすく、エキサイティングな競技になることが期待されています。
③ 少数精鋭による戦略性
2人しかいないため、1本のジャンプの重みが格段に増します。エースの大ジャンプだけでなく、パートナーの安定したジャンプも不可欠で、2人の組み合わせ戦略がチームの命運を握ります。
日本代表の見どころとメダルの可能性
ミラノ・コルティナ2026のスキージャンプ日本代表の男子メンバーは、小林陵侑、二階堂蓮、中村直幹の3名です。
スーパーチームにはこの中から2名が選出されます。
北京2022でノーマルヒル金メダル・ラージヒル銀メダルを獲得した日本のエース。飛距離と飛型を高い次元で両立できる完成度が最大の武器。今大会のノーマルヒルでは8位に終わりましたが、残る種目での巻き返しが期待されます。⛷️ 二階堂蓮(にかいどう れん)
今季のW杯で急成長を遂げ、ノーマルヒルでは銅メダルを獲得。勢いに乗るオリンピック初出場の若手で、会心のジャンプを出せたときの爆発力は大きな魅力です。
⛷️ 中村直幹(なかむら なおき)
地元開催のW杯で表彰台に立ち、フライング世界選手権の団体戦優勝にも貢献。経験豊富で安定感があり、大舞台で力を発揮できる選手です。
スーパーチームでは、エースの大ジャンプとパートナーの安定感の組み合わせが勝負の鍵となります。
日本が小林と二階堂の「攻撃型」で組むのか、小林と中村の「安定重視型」で組むのかなど、2人の人選そのものが戦略になるところも面白いポイントです。
なお、ライバルとしてはW杯総合首位のドメン・プレブツ率いるスロベニア、ノーマルヒル金メダルのフィリップ・ライムント擁するドイツ、そして伝統的な強豪であるノルウェーやオーストリアが有力です。
男子スーパーチームは2026年2月16日(月)に実施予定で、日本時間では深夜~早朝にかけての競技となります(NHK BS、テレビ朝日系列で放送予定)。
まとめ|質問への回答
最後に、元の質問にまとめてお答えします。
Q. ルールはどうなっている?
A. 各国2人でチームを組み、3ラウンド制で競います。各ラウンドで下位チームが脱落し(1回目→上位12、2回目→上位8)、最終的に2人×3本=計6本のジャンプの合計得点で順位が決まります。
Q. 得点の計算方法は?
A. 個人戦と同じく、1本ごとに「飛距離点+飛型点+ウインドファクター+ゲートファクター」で得点が算出され、その合計で争います。
4人の総合力で競っていた従来の団体戦から、2人の精鋭による勝ち残り方式へ。スーパーチームは、スキージャンプの団体戦をよりスリリングで分かりやすい競技に変える試みです。
1本のジャンプで逆転劇が起こりうるこの新種目が、ミラノ・コルティナの夜空でどんなドラマを生み出すのか、ぜひ注目してみてください。
スキージャンプの競技情報(スポーツナビ)
スキー/ジャンプ(日本オリンピック委員会)
ルール解説 | スキージャンプを知ろう!(雪印メグミルク)
