パンダだけの食べ物じゃない!「タケノコ」が次世代スーパーフードになる可能性

健康・ヘルス
スポンサーリンク

健康志向の高まりとともに、「スーパーフード」への注目が続いています。

キヌア、チアシード、アサイー……次々と新顔が登場する中、今度は意外な食材が科学者たちの関心を集めています。

それが、私たちにもなじみ深い「タケノコ(竹の芽)」です。

英アングリア・ラスキン大学の研究チームが行った世界初の体系的レビューにより、タケノコには血糖値の調整、抗炎症作用、腸内環境の改善、抗酸化作用など、幅広い健康効果がある可能性が示されました。

ただし、「生で食べると危険」という注意点もあり、手放しで喜べるわけではありません。

Bamboo could be the world’s next superfood(Anglia Ruskin University

スポンサーリンク

世界初のレビューが明かした「タケノコの実力」

タケノコは、アジア圏では古くから食卓に並んできた食材です。

日本でも春の味覚として親しまれていますが、欧米ではまだなじみが薄く、その栄養価も科学的にはあまり調べられてきませんでした。

そこで英アングリア・ラスキン大学(ARU)と仏パリ・サクレー大学の研究チームは、タケノコの摂取と健康への影響に関する既存の研究をすべて集め、世界で初めて体系的に分析しました。

この研究は学術誌『Advances in Bamboo Science』に2025年に掲載されています。

レビューの対象となったのは、ヒトを対象とした臨床試験(in vivo研究)と、ヒト細胞を用いた実験室研究(in vitro研究)を含む16件の研究です。

その結果、以下のような健康効果が報告されていました。

🩸 血糖値の調整:タケノコ入りのクッキーを摂取した研究では、血糖コントロールの改善が確認された❤️ 心血管リスクの低減:脂質プロファイルの改善が見られ、心疾患リスクの低下が示唆された

🌿 腸内環境の改善:セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの食物繊維が排便機能を向上させた

🧬 抗酸化・抗炎症作用:細胞の酸化ストレスや炎症を抑える効果が観察された

タケノコは低カロリーで脂質が少なく、タンパク質、アミノ酸、ビタミン(A、B6、Eなど)、ミネラル(鉄、マグネシウム、カリウム、セレン)を豊富に含む、非常に栄養バランスの良い食材であることも改めて確認されました。

研究の上席著者であるARUのリー・スミス教授(公衆衛生学)は、「私たちのレビューは、タケノコが”スーパーフード”としての明確な可能性を持つことを示しています」と述べています。

ただし同時に、「基準を満たしたヒト対象の研究はわずか4件しか見つからなかった」とも指摘しており、確固たる推奨を行うにはさらなる高品質な臨床試験が必要だとしています。

生食は厳禁!知っておくべきリスク

有望な結果が出ている一方で、タケノコには「生のまま食べてはいけない」という重要な注意点があります。

生のタケノコにはシアン化配糖体(シアノゲニック・グリコシド)と呼ばれる物質が含まれており、これは体内でシアン化物(青酸)を放出する可能性があります。

そのため、タケノコは必ず皮をむき、十分に茹でてから食べる必要があります。

これはアジア圏では古くからの常識ですが、タケノコに馴染みのない欧米の消費者にとっては見落としやすいリスクです。

また、甲状腺への影響を示唆する研究もあり、すべての人にとって安全とは断言できない状況です。

スミス教授も「タケノコはアジアでは一般的に食べられており、世界中の食卓に加わる大きな可能性を持っています。ただし、正しく調理しなければなりません」と強調しています。

持続可能な食材としての可能性

タケノコの魅力は、栄養面だけにとどまりません。

竹は世界で最も成長が速い植物の一つで、ある種の竹は1日に最大90cmも伸びることがあります。

世界には約1,400種の竹が存在し、一度根付けばわずかな水で生育でき、農薬もほとんど必要としません。

竹には「バンブークン」と呼ばれる天然の抗菌成分が含まれており、多くの害虫や細菌に対して自然な抵抗力を持っています。

こうした特性は、気候変動や資源不足に直面する世界の食料システムにとって、環境的にも持続可能な選択肢であることを意味します。

なお、私たちが食べるのは、地面から顔を出したばかりの柔らかい「芽」の部分です。

硬く木質化した幹の部分を好んで食べるのは、パンダくらいのものでしょう。


タケノコが本当に「次世代スーパーフード」として世界の食卓に広がるかどうか、答えはまだ出ていません。

しかし、アジアで何世紀にもわたって親しまれてきたこの食材が、現代の科学によって改めてその価値を証明されつつあることは確かです。

日本に住む私たちにとっては、春に旬を迎えるタケノコを今年はちょっと意識して味わってみる――そんなきっかけになるかもしれません。